英語課程・ドイツ語課程の違いと大学院進学準備のタイムライン
今、ドイツの大学が注目される理由
世界的に評価の高い教育水準、そして国公立大学の授業料が原則無料という大きな魅力から、近年ドイツの大学進学を目指す方が増えています。
さらに、英語で学べる修士課程もあり、「ドイツ語が不安…」という方でも挑戦しやすくなっています。
ドイツの大学院への出願は、学部課程とは異なる準備が必要です。本記事では、将来の進路としてドイツの大学院を検討している新卒者や、キャリアアップ・キャリアチェンジを目指す社会人の方に向けて、ドイツ語・英語のどちらの課程でも役立つ進学方法を解説します。
早速、必要な準備、タイムライン、基本の出願条件などを具体的に見ていきましょう。
ドイツの大学院に進学するには? 出願に必要な基本条件(共通)
日本の大学からドイツの大学院に進学するには、次のような条件を満たしている必要があります:
- 学士号資格を持っていること
- 学士課程での専攻分野に関連性があること(学士課程で学んだ専攻学科、またはその関連学科の修士課程に進学できます。)
- GPA 2.5以上
成績水準は出願する大学・学部によって求められる成績基準は異なりますので、ご希望の大学・学部に求められる成績基準を確認し、弊社の進学サポートでご案内いたします。
学士課程への出願方法や要件を知りたい方は、ぜひ、「ドイツ大学の入学要件」の記事をご覧ください。
ドイツ語課程と英語課程の違いと要件
ドイツ語課程に出願する場合
授業はすべてドイツ語で行われます。そのため、高度なドイツ語運用能力が求められます。
必要な語学力の目安:
- CEFR C1レベル以上(大学によって異なる)
- 以下の語学証明が広く使われています:
- telc C1 Hochschule(”befriedigend (70%以上)”、または”gut (80%以上)”以上が必要なケースがある)
- TestDaF(各セクション4点(TDN4)以上が一般的)
- Goethe-Zertifikat C2 など
ドイツ語の授業では、英語のテキストや論文も一般的に使用します。そのため、大学や学部によっては、ドイツ語の能力証明書に加えて、英語の証明書も必要です。必要なレベルは、基本的に英語のみの課程と同じです。
英語課程に出願する場合
授業はすべて英語で行われます。ドイツ語の知識は、原則不要ですが、英語の運用力が求められます。
必要な語学力の目安:
- IELTS 6.0~8.0
- TOEFL iBT 80点以上 など
近年、英語のみで学べる課程でも、出願時にドイツ語のA1またはA2レベルの証明書を求められるケースが増えています。選択肢を増やすためにも、早めにドイツ語の学習を始めることをおすすめします。
出願時期
冬学期入学の基本的な出願期間:毎年3月~7月15日
春学期入学の基本的な出願期間:毎年11月~2月15日
ただし、出願期間は大学や学部によって異なります。当社のサポートでは、お客様のご希望される学部ごとに個別に確認いたします。
大学入学までの進学タイムライン(ドイツ語課程)10月入学の場合
・大学進学カウンセリング ・大学や学部のリサーチ
・語学試験の対策スタート ・出願要件の確認
・IELTS/TOEFLなど語学試験の受験
・留学先の都市/語学学校を選ぶ
・日本の出願書類の準備
・渡独
・ドイツ語学習開始
・ドイツ語レベルA1~C1まで語学学習
・ドイツ語試験受験 (telc, TestDaFなど)
・希望の大学へ出願
・合格通知の確認
・住まい探し
・入学手続き
・大学の所在地へ引越し
・大学生滞在許可申請
・入学オリエンテーション
・学期開始
Viel Erfog!
大学入学までの進学タイムライン(英語課程) 10月入学の場合
・大学進学カウンセリング ・大学や学部のリサーチ
・語学試験の対策スタート ・出願要件の確認
・IELTS/TOEFLなど語学試験の受験
・日本国内ドイツ語学習開始
ゲーテ・ドイツ語検定試験などでA1またはA2レベルの取得を目指すことをお勧めします。
・日本の出願書類の準備
・希望の大学へ出願
・合格通知の確認
・入学手続き
・住まい探し
・渡独
・現地での手続き
・大学生滞在許可申請
・入学オリエンテーション
・学期開始
Viel Erfog!
出願に必要な書類例
- 高校の成績証明書(英文)
- 高校卒業見込み証明書または卒業証明書(英文)
- センター試験、または共通テストの成績(英文)
- 学士号の成績証明書(英文)
- 学士号の卒業証明書(英文)
- 語学試験スコア(IELTS(英語)、TOEFL(英語)、telc(ドイツ語)、TestDaF(ドイツ語)、Goethe(ドイツ語)など)
- 志望動機書(場合により)
- パスポートコピー
- 出願料(Uni-Assist経由の場合:約75ユーロ)
※出願は大学に直接行う場合と、Uni-Assist(共通出願ポータル)を利用する場合があります。
いずれもお客様とご一緒に手続きを行います。
大学や学部により出願に必要な書類が異なります。
注意!
日本の大学が発行する卒業証明書や成績証明書のフォーマットには、ドイツの大学が求める項目が記載されていないケースも散見されます。
書類不備で不合格にならないよう、必要書類の確認からアップロードまでアフィニティでサポートいたします。
よくある質問
1. 英文学卒業だけど、経済学へ大学院進学したい。専攻を変えられる?
ドイツの大学院に進学する場合、原則として学士号と同じ専攻、または関連分野の専攻にしか進めません。
関連学科からの出願では、学士課程で取得した単位の5~6割以上が希望する専攻の単位でないと、進学は難しいでしょう。
英語圏大学のように、専攻を変えるためのプレマスター課程はありません。
※プレマスター課程を設けている私立大学もありますが、対応している学部は限られています。
2. 夏学期入学(4月)が可能ですか?
ドイツの大学の入学時期は、一般的、冬学期(10月)です。
夏学期入学が可能な学部がありますが、冬学期入学の学部より少ないです。
3. ドイツ語が話せないけど進学できますか?
英語課程を選べば、ドイツ語力がなくても進学可能です。
※現地での日常生活のために、最短A1レベルのドイツ語力を身につけることをおすすめします。
4. 学費は本当に無料?
原則、ドイツの州立大学では授業料が無料です。ただし、学期ごとの学期共済費(Semesterbeitrag)があり、80〜500ユーロ程度かかります。
5. 日本の通信大学卒業でドイツの大学院へ進学できる?
ドイツに認められている通信制大学もあれば、そうでない大学もあります。
まず、anabinでドイツの大学に進学できる(ドイツに認められている)日本の大学リストを確認しましょう。ステータス「H+」の大学はドイツに認められています。
注意:リストでステータス「H+」になっている大学であっても、その大学のすべての課程が認められているとは限りません。全日制は認められても、同じ大学の通信制は認められない場合があります。
その場合、希望する大学、またはuni-assistに直接出願してみないと、結果は分かりません。
早めの準備が成功のカギ
ドイツの大学院進学は、決して「簡単」ではありませんが、「正しく準備すれば確実に狙える選択肢」です。
入学を希望する年より1年前から進学準備を始めることで、語学力や書類準備に余裕を持てます。
特に、
- 語学試験のスコア確保
- 出願条件の事前確認
- 出願書類の揃え方
- 必要に応じて、事前インターン、長期間実務経験や推薦状などの特別要件
この4つを早めに押さえておくことで、成功率は大きく変わります。
無料進学相談・個別カウンセリング実施中
ドイツ大学院進学に向けた語学準備や出願サポートについて、詳しく知りたい方は、ぜひ無料の個別カウンセリングをご利用ください。
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