Chancenkarteとは?
Chancenkarte(チャンスカード)は、2024年6月からドイツで導入された新しい移民制度です。
日本を含む非EU圏の外国人がドイツで仕事を探すために滞在できるビザになります。
これはドイツ政府が人材不足解消を目的に導入したもので、学歴や職歴がある外国人が現地で仕事を探しながら滞在できる制度として注目されています。
このビザを簡単に言うなら「スキルのある人向けの就職活動ビザ」。
ドイツへの移住・転職を考えている方からのお問い合わせは年々増えている一方で、今までは、移住するためには大きなハードルが2つありました。
ハードル① 出身国で取得した職業資格(卒業した学科)の専攻でしか労働が認められない
日本では、大学で専攻した学科と卒業後の就職先(業種)が異なるケースが多いので、実務経験を活かしてドイツへの就職が厳しいと言うハードルがありました。
ハードル② 語学学習+就職活動を両方行うには時間がかかる(ワーホリや語学留学では就活する時間が足りない)
ワーキングホリデー、または語学留学ビザの場合、ドイツに滞在できるのは最大1年間。
1年間の滞在期間で、現地企業へ就職するために必要なドイツ語力(職業によりB1+~C1)の習得と、就職活動を同時に行うのは時間的にも厳しいものがありました。
しかし、2024年6月の新しい移民法「The new skilled immigartion act」ができたことで、ドイツでドイツ語習得と就職活動を余裕を持って行うことができるようになりました。
まず、ハードル①が解消されました。
大学を卒業された方であれば、自分の専攻に関わらずどんな職業にでも務めることが可能になりました。
ただし、基本的に企業側からは実務経験が求められるので、全く経験のない職業につくことは現実的ではありません。
チャンスカードの導入でドイツに滞在できるのは最長1年間。
つまり、語学留学やワーキングホリデー中に、チャンスカード申請(受給)することで、ドイツから日本に帰国することなく、もう1年ドイツに滞在しながら就職活動をすることができるのです!
例えば、通常のワーキングホリデービザでの滞在期間は最長1年間ですが、チャンスカードでもう1年ドイツに滞在できれば、実質2年間の滞在が可能ということになります。
最大2年間ドイツ滞在の中で、1年目(ワーホリ)でしっかりと言語力を身に着け、2年目(チャンスカード)に就職活動に専念できるのはとても嬉しいですね。
新たな留学方法 ワーホリ ✖️ チャンスカード
ワーホリ ✖️ チャンスカードは画期的なドイツへの海外キャリア留学にはもってこいのシステムです。
まず、ワーホリビザでの滞在をする1年間でしっかりドイツ語レベルを(B2~C1レベル程度まで)上げてから、現地でチャンスカードを申請すればさらに1年間ドイツでの就活ができるチャンスをもらうことができます。
つまり最大2年間で就職準備ができ、就職先の選択肢を増やすことも可能です!
過去にはA2~B1レベルのドイツ語で就職できた方々もいますが、近年、現地就職のために必要なドイツ語力は飛躍的に高くなりました。
理由はビザの要件が厳しくなったから、ではなく、ドイツ語をB2~C1レベルまで学んだ海外の方(留学生や移民)が増えたことにより、企業側が求めらているドイツ語力が上がったためです。
また、以前は英語力のみでドイツで就職できた方々もいらっしゃいましたが、英語力のみで就職できるケースは、デュッセルドルフ、またはフランクフルトにある日系企業での就職がほとんどです。
その日系企業でも、ここ数年は英語+日本語+ドイツ語を話すことができる従業員を求める傾向にあります。
「自分のキャリアの選択肢を増やしたい」「海外就職の成功確率を上げたい」という場合は、ワーホリ ✖️ チャンスカードで、語学力をしっかりと身に着けて、確実な就職活動を行う方法が、最適な留学方法となるでしょう。
申請方法
チャンスカードを取得するには、以下の条件のいずれかを満たす必要があります。
- 海外で認定された職業資格や大学の学位を持っている(日本の大学でも可)
- ポイント制(6点以上)で条件を満たす
ポイント制では以下のような項目が評価されます:
項目 |
内容 |
ポイント |
学歴 |
大学卒業・職業訓練資格など |
最大4点 |
職歴 |
2年以上の関連職務経験 |
最大3点 |
年齢 |
35歳以下(若いほど加点) |
最大2点 |
ドイツ語学力 |
CEFRレベルA2~B2以上 |
最大3点 |
英語学力 |
CEFRレベルC1以上 |
最大1点 |
ドイツ滞在歴 |
留学やワーホリ経験など(連続6ヶ月以上の滞在歴) |
最大1点 |
※計算例:
「大学卒業(4点)+「ドイツB2(3点)+留学やワーホリ経験などで連続6ヶ月以上の滞在歴(1点)」で計8点 → 申請可能。
滞在条件と期間
- 有効期間:最長1年間(延長不可)
- 滞在中にアルバイト(週20時間まで)やトライアル雇用(1社当たり最大2週間)も可能
- 滞在中に仕事が決まれば、就労滞在許可への切り替えが可能
申請方法
ステップ① 自分の資格や職歴を確認
ステップ② 必要書類を準備
- パスポート
- 履歴書(CV)
- 学位証明書や職業資格証明書
- 職歴証明書(あれば)
- 語学力の証明(例:telcのドイツ語証明、IELTSなど)
- 生活資金の証明(銀行残高証明など)
※月1,027ユーロ程度 ×12か月分が目安(約12,324ユーロ)
ステップ③ 日本国内またはドイツ国内で申請
- 日本国内申請の場合:ドイツ大使館または領事館でビザ申請
- ドイツ国内申請の場合:在住先の外国人局で申請
最後に:Chancenkarteはどんな人におすすめ?
- ドイツでのキャリア形成を目指す人
- 現地で仕事を探す時間と自由を確保したい人
- ドイツ語が中級程度(B1以上)あり、職歴がある人
- 日本の大学を卒業している人
ドイツでキャリアアップを狙うなら、このチャンスカードは非常に有効な第一歩となります。
ドイツは比較的寛容に移住を認める政策を打ち出しており、ヨーロッパへの移住を希望されている方や海外移住をお考えの方にもおすすめの国だと言えます。
こちらの記事を読んで、ドイツへの留学また就職を挑戦したいと思うようになった方は、ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
チャンスカードの詳細とパイント・カルキュレータは、ドイツ政府の公式案内ページをご覧ください。