現地の語学学校でのドイツ語の教え方

ドイツ語学校のクラスルーム風景

みなさんは外国語の教授法は基本的にどんな言語でもほとんど同じだと思っていませんか?実は外国語を習う国や言葉によって教え方にかなり違いがあるんです。

ここではドイツでドイツ語を習う時に使われている教授法についてお話ししたいと思います。

ドイツ語レベルの指標は世界共通

ドイツにある語学学校やゲーテ・インスティトゥート等の機関でドイツ語を勉強している方やこれから勉強しようとしている方はGER (Gemeinsamer Europäischer Referenzrahmen – ヨーロッパ言語共通参照枠)という下の6レベルで外国語学習の進歩を判断します。

A1(初級)
A2(準初級)
B1(中級)
B2(中上級)
C1(上級)
C2(ネイティブ級)

※A0レベルは本来存在しないレベルです。生徒さんが今まで全くその言語の習得経験がない場合に便宜上A0と記載することがありますが、A0レベルは存在しないのでA0レベルの教科書というのも存在しません。

そういうわけでドイツ語の勉強をされていらっしゃる方は皆さんこのGERの6レベルで判断され、これはどの教材や語学学校でも共通の指針となり、英語のTOEFLやTOEIC、IELTSのように試験によって点数やレベルが異なるということはありません。A1〜C2レベルの6レベルによって簡単に語学レベルの判断をすることができます。

ただし、日本のドイツ語技能検定試験だけは例外で、これは日本人にしか通用しない試験ですが、A1〜C2レベルに対応していない独自のレベルチェック方法となります。

教え方の違い

ドイツでのドイツ語クラスは基本的に異なる国籍を持つ生徒さんがいる中で行われます。生徒みんなが英語を話せるわけではありませんので、最初から授業で使われる言語はドイツ語ということになりますね。(日本の日本語学校の場合も最初から日本語で教えますよね。)

そして、だからこそ日本人の生徒さんは最初に壁にぶつかってしまう方が多くいらっしゃるのも事実です。それは、日本の生徒さんは最初から先生の話す言葉の一語一句全てを理解しないといけないという間違った意識を持ってしまっている方が多いせいかもしれません。

先生はビギナーレベルの生徒さんに自分の話すこと全てを理解して欲しいとは思ってはいません。むしろ内容やテーマの大枠を理解して欲しいと思っています。

クラスでドイツ語のみを使うことの真の目的はドイツ語を耳から聞くことに慣れるということ、そして正しいドイツ語の発音を聞くこと、それからついでに文法の構成についても覚えてもらうことにあります。

先生は授業中に言葉で説明が難しい場合には図やイラストを描いたり、ボディランゲージで説明することもしばしば。そしてそのイラストやボディランゲージが面白かったりもしますので楽しみながら授業を受けることができると思いますよ。

先生が一人前に立って授業を行い生徒は先生のいうことを聞いているようなスタイルの日本の学校や大学とは異なり、現地のドイツ語学校では授業中は最初から会話の機会が多くあるのも特徴的です。

文法の教え方についても同じことが言えます。日本の学校では長々と細かい文法の説明をしますが、ドイツの学校やドイツで使われているテキストでは、まず生徒たちが自分自身で文法を理解させるような説明があります。それから先生が説明を細かい部分を一緒に理解していくような説明を与えます。

授業で何か読む文章があって、その中にまだ習ったことのない文法の構成があるとします。文法的には新しいので理解することができないかもしれませんが、他の文章からその部分を推測したり、文章全体のテーマを捉えたりすることはできますよね。

もちろんまだ習っていないことがあるので、理解できない部分があるということは自分でもわかっていて、その部分をさらに深く見ようとすると思います。

そしてこのタイミングで先生やテキストの説明を聞くことで理解できていなかった新しい文法の謎を理解するだけでなく、クラスメイトと一緒に解き明かすことで達成感が得られます。このような方法でクラスでより楽しく、覚えやすくなります。

「あなたの国ではどうですか?」という質問

外国語としてドイツ語を習うことのもう一つの特徴は文化の比較が挙げられます。本や授業でよく尋ねられること。「あなたの国ではどうですか?」という質問です。同じ国出身の生徒さんが授業を一緒に受ける日本の授業ではあまり聞かれないと思います。

これは、学生がドイツの文化や社会について学ぶことができるというメリットだけでなく、ドイツ以外のクラスメイトの出身国の事情や状況についても学ぶことができるというメリットがあり、グローバルでマルチカルチャルなとても貴重な体験をすることができます。ドイツ語を学ぶことで、世界中の人々の多くの他の文化についても学ぶことができるんです。それに自分の国のことを客観的に知ることにもつながります。海外にいくと自分が日本人であることを意識することがとても多くなりますのでそのためのトレーニングとしてもとても良い機会になると思います。

日本の教授法はドイツとは大きく異なるため、最初は慣れない!と思うかもしれませんし、授業についていくのに苦労するかもしれません。アフィニティではこの難しさを理解したスタッフが、より現地での授業を受けやすくするような方法もお伝えしています。例えば生徒さんのレベルに応じた適切な学校の提案や、ドイツ語ネイティブスタッフファビアンによるドイツ語レッスンも提供していますし、ドイツの学校選びのカウンセリングも行っております。これからドイツ留学をご検討されていらっしゃる方や、日本にいながら現地の学校に近いスタイルでドイツ語のレッスンを勉強したいという方、ぜひご利用ください。

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