英語課程・ドイツ語課程の違いと進学準備のタイムライン
今、ドイツの大学が注目される理由
世界的に評価の高い教育水準、そして国公立大学の授業料が原則無料という大きな魅力から、近年ドイツの大学進学を目指す日本人高校生が増えています。
さらに、英語で学べる学士課程もあり、「ドイツ語が不安…」という方でも挑戦しやすくなっています。
日本の高校を卒業後、ドイツの大学へ直接進学するための方法を解説します。ドイツ語と英語、両方のコースを対象としています。
将来の進路として海外の大学を考えている高校2・3年生、そして保護者の皆さまに向けて、必要な準備や出願のタイムライン、基本的な出願条件についてご紹介します。
日本の高校生がドイツの大学に進学するには? 出願に必要な基本条件(共通)
日本の高校からドイツの大学に進学するには、次のような条件を満たしている必要があります:
- 高校卒業資格を持っていること(全日制)
※通信制高校からの進学実績はありますが、ドイツ文部大臣会議およびドイツ学術交流会(DAAD)の規定では、原則として3年制の全日制高校を卒業していることが確実な進学条件となります。あらかじめご了承ください。
- 共通テストを受験している
① 5科目以上受験し、うち5科目の得点の合計が420点以上である必要があります。
② そのうちドイツの大学での専攻に関連する2科目においてそれぞれ62%以上の成績をおさめた場合、その学科及び関連学科に出願できます。
(例:物理学であれば物理+数学、経済学であれば数学+政治・経済など)
※参考
5科目は、教科 (subject area) ではなく、科目(subject)とお考えください。
英語のみ、リーディングとリスニングを合わせて1科目と数えますので、ご注意ください。
5科目の組み合わせに決まりはありませんので、理科中心や公民中心の受験も可能です。
成績水準は出願する大学・学部によって求められる成績基準は異なりますので、ご希望の大学・学部に求められる成績基準を確認し、弊社の進学サポートでご案内いたします。
その他の学士課程への出願方法や要件を知りたい方は、ぜひ、「ドイツ大学の入学要件」の記事をご覧ください。
ドイツ語課程と英語課程の違いと要件
ドイツ語課程に出願する場合
授業はすべてドイツ語で行われます。そのため、高度なドイツ語運用能力が求められます。
必要な語学力の目安:
- CEFR C1レベル以上(大学によって異なる)
- 以下の語学証明が広く使われています:
- telc C1 Hochschule(”befriedigend (70%以上)”、または”gut (80%以上)”以上が必要なケースがある)
- TestDaF(各セクション4点(TDN4)以上が一般的)
- Goethe-Zertifikat C2 など
ドイツ語で学ぶ課程でも、英語のテキストや論文を使用することが一般的です。そのため、大学や学部によっては、ドイツ語の能力証明書に加えて、英語の証明書の提出が求められます。必要とされる英語レベルは、基本的に英語のみで学ぶ課程と同程度です。
英語課程に出願する場合
授業はすべて英語で行われます。ドイツ語の知識は通常不要ですが、高い英語力が求められます。
必要な語学力の目安:
- IELTS 5.5~6.5
- TOEFL iBT 72点以上 など
近年、英語で学ぶ課程でも、出願時にドイツ語のA1またはA2レベルの証明書を求められるケースが増えています。選択肢を広げるためにも、早めにドイツ語学習を始めることをおすすめします。
出願時期
冬学期入学の基本的な出願期間:毎年3月~7月15日
ただし、出願期間は大学や学部によって異なります。当社のサポートでは、お客様のご希望される学部ごとに個別に確認いたします。
高校2年~大学入学までの進学タイムライン(ドイツ語課程)
・大学進学カウンセリング ・大学や学部のリサーチ
・語学試験の対策スタート ・出願要件の確認
・IELTS/TOEFLなど語学試験の受験
・共通テストの受験科目決定
・共通テストの勉強に集中
・共通テスト受験
・留学先の都市 / 語学学校を選ぶ
・日本の出願書類の準備
・渡独
・ドイツ語学習開始
・ドイツ語レベルA1~C1まで語学学習
・ドイツ語試験受験 (telc, TestDaFなど)
・希望の大学へ出願
・合格通知の確認
・住まい探し
・入学手続き
・大学の所在地へ引越し
・大学生滞在許可申請
・入学オリエンテーション
・学期開始
高校2年~大学入学までの進学タイムライン(英語課程)
・大学進学カウンセリング ・大学や学部のリサーチ
・語学試験の対策スタート ・出願要件の確認
・IELTS/TOEFLなど語学試験の受験
・共通テストの受験科目決定
・共通テストの勉強に集中
・共通テスト受験
・日本国内ドイツ語学習開始
ゲーテ・ドイツ語検定試験などでA1またはA2レベルの取得を目指すことをお勧めします
・日本の出願書類の準備
・大学へ出願する
・合格通知の確認
・入学手続き
・住まい探し
ドイツへの渡航は、一般的に9月前後 大学によっては、合格通知がなくても学生寮への申し込みが可能ですので、早めに申請しておくことをおすすめします
・渡独 ・現地での手続き
・大学生滞在許可申請
・入学オリエンテーション
・学期開始
出願に必要な書類例
- 高校の成績証明書(英文)
- 高校卒業見込み証明書または卒業証明書(英文)
- 共通テストの成績(英文)
- 語学試験スコア(IELTS(英語)、TOEFL(英語)、telc(ドイツ語)、TestDaF(ドイツ語)、Goethe(ドイツ語)など)
- 志望動機書(場合により)
- パスポートコピー
- 出願料(Uni-Assist経由の場合:約75ユーロ)
※出願方法は、大学に直接行う場合と、共通出願ポータル「Uni-Assist」を利用する場合があります。
いずれの場合も、お客様と一緒に手続きを進めますのでご安心ください。
また、大学や学部によって出願に必要な書類が異なります。
書類の不備で不合格となることがないよう、アフィニティが必要書類の確認からアップロードまでしっかりサポートいたします。
よくある質問
1. 日本の大学に進学せずにドイツに直接行くことはできますか?
はい、可能です。ただし「大学に入学できる資格がある」ことが求められます。共通テストを受験していない場合は、基本的に進学できません。
2. ドイツ語が話せないけど進学できますか?
英語課程を選べば、ドイツ語の能力がなくても大学へ進学できます。
ただし、現地での生活を考えると、最低限のコミュニケーションを取るためにA1レベルのドイツ語は習得しておくことを強くお勧めします。
3. 学費は本当に無料?
原則、ドイツの州立大学では授業料が無料です。ただし、学期ごとの学期共済費(Semesterbeitrag)があり、80〜500ユーロ程度かかります。
4. 夏学期入学(4月)が可能ですか?
ドイツの大学の入学時期は、一般的、冬学期(10月)です。
夏学期入学が可能な学部がありますが、学士課程の場合は非常に少ないです。
早めの準備が成功のカギ
ドイツの大学進学は、決して「簡単」ではありませんが、「正しく準備すれば確実に狙える選択肢」です。
高2の夏から進学準備を始めることで、語学力や書類準備に余裕を持てます。
特に、
- 語学試験のスコア確保
- 出願条件の事前確認
- 共通テストの専攻科目とスコア確保
- 出願書類の揃え方
この4つを早めに押さえておくことで、成功率は大きく変わります。
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ドイツ大学進学に向けた語学準備や出願サポートについて、詳しく知りたい方は、ぜひ無料の個別カウンセリングをご利用ください。
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