ドイツでの滞在で、初めての陸路移動が電車という方も多いのではないでしょうか。そこで、到着してすぐに移動する際に役に立つ、ドイツの電車の基本情報ついてご紹介します。
ドイツの電車(Zug)の種類を知ろう
ドイツ全国区の鉄道は、ドイツ鉄道(Deutsche Bahn)が管轄します。
ドイツ版の新幹線をICE(イーツェーエー)と呼びます。ICEやICは白い車体に流線型のフォルム、赤いラインが目印です。
特急 | ICE (InterCityExpress) 都市間超特急 IC (InterCity) 都市間特急 EC (EuroCity) 欧州都市間特急 |
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車体が赤色の電車は列車です。二階建車両もあります。特急とは乗車料金が異なります。
急行 | RE (RegionalExpress) 地方急行 IRE (InterRegioExpress) 地方都市間急行 |
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寝台 | CNL (CityNightLine), NZ (NachtZug) 寝台列車 Autozug カートレイン/自動車運搬付き夜行列車 |
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都市部の市内を走る地上電車はS-bahn(エスバーン)。これもドイツ鉄道が管轄する交通網です。
普通列車 | RB (RegionalBahn) 普通電車 S (S-Bahn) 市内普通電車 |
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カウンセラーからのアドバイス
ドイツの電車はドアの開閉は自動ではありません!下車するときには「開ける/Tür Auf」を押しましょう。ドアを閉める時は「閉める/Tür Zu」です。ただし、電車が発車する際は空いている全てのドアは自動で閉まります。
市内交通を知ろう!
それぞれの都市を管轄する交通当局が運営する交通網で、地下鉄(U-bahn/ウーバーン)、トラム(Strassenbahn/シュトラッセンバーン)、バス(Bus/ブス)などが該当します。
大都市を中心に地下鉄網が整備されています。
地下鉄 | U (U-Bahn) |
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市内の移動に、バスと並んで便利な路面電車。多くがバリアフリー構造になっています。
路面電車/トラム | Strassenbahn |
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乗車/下車時はここに注意しよう
駅構内ならびにトラム停留所には改札口が「ない」
乗車チケットのコントロールチェックは、長距離電車内では車掌が乗車後に車内を巡回して行い、市内交通(地下鉄、路面電車、バス)では私服検札官が常時巡回しています。チケット提示を求められたら、その場で提示しなければなりません。万が一、不正乗車(Schwarzfahrt)が見付かった場合は、罰金(後日支払、50ユーロ前後が多い)を請求されるので、くれぐれもご注意ください。
片道乗車券や回数券は乗車前に「打刻」が必要
駅またはバス車内に設置されている「自動スタンプ機」にチケットを差し込み、乗車前に日時などを刻印されること(Entwerten)で初めて、1回券や回数券は有効なチケットとなります。つまり、チケットが手元にあっても、スタンプが押印されていないと無効チケットとみなされるので注意しましょう。1日チケットや観光チケット、週チケット、定期券など利用日(期間)が予め記載されているチケットの場合、スタンプ押印は不要です。
ホームアナウンスが(ほぼ)「ない」のが普通
ドイツの駅のホームは日本に比べて静かです。電車のホームへの侵入、出発時も控えめに音が鳴る程度と静かですので、乗り遅れないようにしましょう。
館内アナウンスの頻度が少なく、内容も最低限です。駅構内の時刻表や掲示板表示をしっかりとチェックしましょう。日本ではあまり考えられないことですが、遅延やキャンセルや予定ホームの急な変更なども頻繁に起こります。ホームにアナウンスが流れ、周りのドイツ人がざわついたり、ホームを移動しはじめた要注意です。
電車の到着位置を知る
ドイツのホームは長く、多くの場合、A〜Fなどホームの箇所に看板があります。停車する電車の位置は、ホーム上にある時刻表の隣あたりに張り紙がありますし、電光掲示版(上記写真)がホームに設置されていますので、その表記を確認しましょう。特に、ICEなど長距離電車は車体が長く、1等車、2等車、ビストロ(食堂)車両と移動距離が長く、停車後に移動すると間に合わないことがあるのでご注意を!
長距離電車は基本は「自由席」
特急列車への乗車の際には、座席の予約ができます。その際は、座席予約料が別途掛かります。座席を予約した場合は、チケットに記載されている車両等級(1等車/1. Klasse や2等車/2. Klasse)、車両番号、座席番号を確認し、各座席シート付近にある座席ナンバーを見て、予約した座席を探しましょう。
日本の新幹線や特急列車と違い、指定席車両と自由席車両が区別がされていません。座席指定予約が入っている座席には、座席ナンバー横に乗車駅と降車駅が表示されています。座席は空席であれば誰でも利用できますが、座席指定予約が入っている席は、指定区間内は指定した乗客が座る可能性が高いので避けた方が無難でしょう。
自転車の持ち込みの可能な車両も有
各種電車や特急列車(ICEは除く)やバスには、自転車の持ち込みも許可されています。その際は、自転車の設置スペースが設けられている所定の車両(自転車マーク付)に乗車しましょう。乗車の際には、自転車用の追加料金が必要です。定期券を所有している場合、特定の時間帯や週末に無料で自転車の持ち込み乗車が出来るサービスが含まれていることがあります。詳しくはDBもしくは当該の交通局へお問い合わせ下さい。
ICE 内での無料WIFIサービス(WIFIonICE)を利用しよう
2017年1月に ICE 車内で新しい無料インターネットサービスがスタートしました。 2等車でもインターネットが無料で使えます。(1等車では利用は無制限、2等車では200MB/日 が規定スピードで、それ以上は通信速度が落ちますのでご注意を!)
利用方法
1. 該当の乗車後に、端末の WlFIアクセスポイントを開き、そこに表示される “WIFIonICE” を選択します。
2. 通常は自動的にログインブラウザが開きますが、開かない場合はブラウザに「Login.WIFIonICE.de」を主導で URL 入力します。
3. 「Akzeptieren」(インターネット接続を承諾)を選択、「Hier geht’s ins Internet」(インターネット接続)のボタンを押すと無料のインターネットに接続されます。
カウンセラーからのアドバイス
ICE内での無料WIFI接続ページの言語は英語も選択でき、簡単にアクセス登録できるので、長距離移動の際はぜひ活用してみましょう!ただし、データ通信量が大きい長時間の動画視聴には向きません。
電車チケットを購入をしてみよう
各種電車のチケットは当日分、または日付指定分を乗車前に購入します。購入方法は主に3つです。
1)駅にあるチケット自動販売機(Automat)での購入
ドイツ鉄道(DB)の自動チケット販売機は、チケット購入のほか、発着時刻の確認、乗換案内などの検索にも利用できます。また英語をはじめ主要言語での表記が可能です。
ワンポイントアドバイス
チケット販売機は、現金(一部ECカードやクレジットカード)での支払いが可能です。注意したいのが、現金払いの際、時々お釣りの関係で、コインしか使えないことがあったり、クレジットカード機能が故障している券売機があることです。両替機もないことがほとんどですので、ドイツでは常に硬貨も携帯していると、いざというときに役に立ちます。
2)駅構内のサービスカウンター(Reisezentrum)での購入
対面で相談しながらチケットを購入する際は、中央駅など主要駅の構内や駅付近にあるサービスカウンター(Reisezentrum)があります。各種チケットの購入をはじめ、電車の乗り継ぎ検索、遅延時の案内、定期券や会員カードの発行や手続き(後述)等に対応してくれます。
ワンポイントアドバイス
対面で購入する場合はサービス料が加算されるシステムのため自動販売機よりも高くなりますのでご注意を!
カウンセラーからのアドバイス
留学期間が長くなる場合で、国内旅行に頻繁に電車を利用する方は、DBの会員カード「Bahncard」は大変便利。カードは大きく分けて3種類あり、それぞれの等級(1等か2等)に対応して通常料金から25%、50%、100%割引される仕組み(Bahncard25/50/100)。有効期限は入会から1年間ですが、2年目以降は自動更新され、新カードが郵送されてきます。チケットコントロールの際には、割引価格で購入した乗車チケットと会員カードを一緒に提示します。期限切れのカードはもちろん無効です。年間費が掛かるため、解約の際は更新時期の6週間前までに書面でその旨を通知する必要があります。
* DBでは各種特別チケットを展開しています。サービスの料金や内容、最新の情報はDBホームページもしくは駅のサービスセンターにてご確認下さい。
3)インターネットのオンラインチケットサービスで事前購入
DB公式サイトでは、海外からでもオンラインチケットが購入(クレジットカード決算)ができます。希望日時、出発と到着先を入力後に検索し、購入したいチケットを選択、購入画面に進みます。チケットキャンセルが有効なもの、有効な場合のキャンセル料や条件に応じて割引率が違いますが、早割でだいぶお安く購入できます。
ワンポイントアドバイス
DBの無料アプリをスマホにダンロードしておくと便利。例えばオンラインで購入したチケットのアプリ登録することもでき、該当のバーコードの読込みでチケットレスも可能。
英語やドイツ語でのチケット購入に不安がある方は、日本でドイツやヨーロッパの鉄道チケットの取り扱いのある専門代理店での購入も可能です。日本語サイト、日本円での案内があることと、出発前に郵送でチケットが届くので安心。ドイツ国内周遊パス(ジャーマンレイルパス)やヨーロッパ周遊チケットも購入できます。
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